Photoshop CS2体験版を使ってみて・・・

この次記事(上)に関連するが、Photoshop CS2はまだ購入未定だ。確かにCS2となったPhotoshopは前回同様、写真を扱う上での機能がさらに大幅にアップした。ますます「Photo」Shopと言う名に恥じない仕様になっている。

RAWプラグインにしても、CSなら、トーンカーブがこの段階でいじれたら・・・という思いが、実現されている。それも通常のトーンカーブ調整より、一定の入力値に対し、ポインタが吸い付くような動作をする。無造作に矢印が動くと希望の点を合わせづらいのを、出力値の選択だけに集中できるので非常に使いやすい。これは逆に通常のトーンカーブ調整にも採用して欲しいところである。
また、RAW調整が精度が上がったようにも思われ、ハイライト、シャドウ領域の表示もできるようになった。
さらには、複数のRAWを一度に開く事ができるようになったのも大きい。これはCanon Digital Photo Professionalのセレクト編集画面の構成に似ている。

初心者にも気軽に扱えるように各設定に自動調整というのも設定された。要はお任せで、露出やホワイトバランスなどをある程度適切に調整してくれるモノである。
これが意外に極端に調整が働き、±1段分以上でも変えてしまう。明るさ調整と共に作用してある程度はノイズなどの発生しないように巧くやっている。
後述する、今回ファイルブラウザからアプリケーション化したAdobe Bridge上にRAWのサムネイルを表示した時点で、これが行われているように見える。
しかし、この自動処理、私は歓迎できない。確かに露出ミスのモノも存在はするが、ある程度こちらの意図で露出を決めているわけである。
ミスのモノを救うにしたって、最初からいきなり救われていたら(^_^;)、どれくらいずれていたかすら分からない。デジタルカメラの良いところは、ミスしたモノをすぐ消せる・・・というのもあるが、それ以上に、「ミスの原因を確認できる」という事が言えるのである。このような考え方をする事で、さらに上達は早くなるわけだ。
もちろん、初期設定に戻す事ができるので良いのだが、最初に働くのは「余計なお世話」だ。

編集ツールで今回私が最も注目したのは「スポット修復ブラシツール」。CSまでは「修復ブラシツール」で行っていたが、スポット修復ブラシツールでは、サンプル点を参照する必要がないのである。自動的に修正の対象となる地点の周囲の状況を判断し、わずか一回のクリックで、見事に修復してしまうと言う魔法のようなツールだ。これはデジタル一眼レフカメラの現状の最大の欠点である、撮像素子に付着するゴミの問題には非常に有効なツールだ。
もちろんオールマイティというわけではなく、修復の対象の大きさ、その周辺の状況等に左右されるので、適切なブラシの半径と使用するポイントの順番にはコツがある。失敗してもヒストリーで戻れるので、無理せず繰り返して、マスターしていけば良いと思う。

もう一つは「Vanishing Point」と言うモノ。ビルを見上げた写真などを想像したら分かるが、遠近感があると、同じ窓の配列でも上に行くほど小さくなっていく。そんな場合、下の階のモノをコピーして上にペーストするなどとなると、コピーしたモノを一旦別のレイヤーに配置して、縮小したり、角度を変えたりなど、とんでもない作業になる。ところが、Vanishing Pointなら、任意の4点を指定する事により、遠近感の程度を判断し、その中で、コピーや修復が通常の感覚でできるという優れモノだ。

その他にもノイズフィルタに追加された「ノイズを低減」、シャープフィルタに追加された「スマートシャープ」、湾曲や、シフト、ティルトの補正に使える「光学レンズ補正」、ブラケティングした複数の写真からハイ・ダイナミックレンジな32ビット画像を生成する「32bit HDR」など、見逃せない機能満載だ。

先程のBridgeだが、これは以前のようなPhotoshopだけではなく、全てのAdobeアプリケーションを起動できるようになっている。
画像用の簡易的なブラウザとしても便利で、EXIF表示はもちろん、RAWもプレビューできるのだから、ちょっとした画像プレビューアプリケーションよりも有利だ。この中で、ファイル情報も追加でき、多種のフラグやレーティング付けも可能。体験版に付属するため、実質Bridgeだけ無料で手にはいることになる。

では何故購入に至らないか・・・
確かに多くの魅力的な機能が備わった。しかし、私の撮影する対象からして、または撮影スタイルからして、撮影時にできることをやる。後で変形を加えるような、またはそこまで加工をすることを前提とした撮影に今のところ興味がない。RAW現像は現在SILKYPIXを中心に使用していること。スポット修復ブラシツールは魅力的だが、まあ、修復ブラシツールで充分でもあること。

BridgeはGoLive CS2にも付属するのも一つ。あと・・・最大は¥26,200の価格(アップグレード版)かなぁ。(-_-;)
ココまで貧しくなってしまったことが、何とも悲しいことである。・・・でなければ多分迷わずアップグレードしただろうから。結局は単なる言い訳なんだな。ははは・・・(T_T)