台風その後。わずかな差が命運を分ける。

さて、台風14号、正式名称:0514号NABI(ナービー)は長崎県に上陸後、各地に甚大な被害を出してしまいました。被害に遭われた多くの方々にお見舞い申し上げます。

今日は関東地方も結構強風が吹き、空を見上げると黒い雲がものすごいスピードで流れていくのを見て、何とも言い難い気分になった。現在、先程北海道に上陸した模様で、進路にあたる皆さんはご注意を。

今回の台風、初めて遭遇するような強風だった方もたくさんいらっしゃるだろう。しかし・・・どちらかというと大雨に起因する被害の方が上回ったのではないだろうか?

このようなことを言うのは、被害に遭われた地域の方に失礼かもしれないが、先に触れた91年の19号、正式名称:台風9119号、Mireille(ミレイユ)は全く勢力が衰えないまま上陸したのに対し、今回は強いながらも直前に衰えただけまだ幸いしたと思う。
実は上陸後に長崎市の実家に問い合わせたのだが、なんとほとんど大した雨風がなかったという(^_^;)。イヤ、もちろん程度の問題ではあるろうが、各地に見られたの暴風雨という言う状況からはかけ離れたほど、何事もなかったらしい。何故だろうか?

14号が上陸したのは諫早市。長崎市は直線距離で言うと西側に10km圏内と言う直近に当たるのにである。
実は、経験上知っているのだが、良くテレビなどでも聞かれることが多いと思うが、台風の中心から北西側は南東側に対して比較的雨風とも少なく、被害も小さい傾向にある。
それが、本当に中心付近でも同じ事であり、私自身何度も同じ状況に遭遇している。

ほんの少し東に逸れた台風・・・長崎の南西側に開けているという地形も東側からの風を受けにくいという原因にあると思うが、それを差し引いても、万全に警戒していた中、虚をつかれるほどの平然とした状況。
九州地方は9119号の後、特に注意するようになったので、なおさら呆気に取られるようなことが何度もあった。

もちろん、だからといって警戒を怠る事なかれ。今回も九州地方を中心だったため、多くの地方で避難勧告、自主避難を含めて数10万人規模で行ったから、被害がこの程度で済んだのだから。
直前まで台風がどの道筋を通るのかなんて分からない。
9119号は長崎市の西方ホンの数kmの海上を北上して佐世保市付近に上陸したとされるため、とてつもない状況だったのだ。
そのホンのわずかな差が命運を分ける。しかしこれだけは人が選ぶことができないのが辛いところ。

暴風円なるものがよく示されるが、あくまでああ言うのは中心気圧とその周辺、雲の様子から割り出した予想であって、目安である。だって、台風の圏内、周りをわざわざ延々と観測する仕組みなんて無いのだから。(^_^;)
今回の台風では暴風圏内と言われた円よりもずっと東に位置した四国地方でもかなりの暴風雨にたたられた。
なので、実際は台風の中心から南東側に広く(西側はほとんど無く)風雨の強い領域が存在したのだろう。

まあ・・・不謹慎ではあるが、四国地方にとっては恵みの雨になった。早明浦ダムが貯水率0となってしまっていたのが、たった1日で100%に回復したのだから。もちろんそれほどに猛烈な降水があったのだが、取水制限に見舞われていた皆さんは本当に助かったことだろう。

アメリカ東部を襲ったハリケーン「カトリーナ」ほどのものは全くゴメンである(あれはあれで超大国の別の問題が如実になってしまっているが)が、自然というのは脅威を与える一方で恵みも与える。
これに付き合っていくのは永遠のテーマでは無かろうか。

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このページは、Feel Blue Windが2005年9月 7日 23:56に書いたブログ記事です。

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