Canon EOS 5D、EOS-1D Mark II N 発売開始

既に発売日も発表されていた、Canon EOS 5D、および EOS-1D Mark II Nが本日予定通りの発売となった。
 

EOS-1D Mark II NはEOS-1D Mark IIのマイナーチェンジ版。APS-Hサイズ8.2MpixelのCMOS、8.5コマ/秒の連写性能その他の基本性能は据え置きで、一番大きな変更点は背面液晶モニタが2.0インチから2.5インチに変わったこと。
プロフェッショナル向けとしては、他社に遅れを取っていた部分であり、これを埋める必要に迫られたと言うことだろう。ニコンはD2Hで2年も前に搭載している。
それに合わせて、GUI、メニュー項目にも変更がある。
一番大きいのは、これまでのカラーマトリックスから、ピクチャースタイルとして備わった、画像の色彩を決定する項目。銀塩に様々なフィルムがあり、それぞれに色の出方に特徴があるように、同じような感覚で、色彩をコントロールする。
これは付属のアプリケーションである、Digital Photo Professional(以下、DPP)により、RAWなら後処理で選択可能。また、従来機種のRAWについてもDPPではこのピクチャースタイルが適用できる。
ただし、先日述べたSILKYPIX2のカラーモードにはさらに多くのモードがあり、その他から発売のアプリケーションでも類似機能を持つものが存在する。そのため、JPEG撮影する場合でなければ、あまりアドバンテージは感じられないだろう。
もちろんキヤノンとしてはこれを目玉機能として大々的に宣伝しているが。

そしてEOS 5D。これまでEOS-1Ds、および1Ds Mark IIでしか存在しなかった、35mmフルサイズ(この言い方私はすごく嫌いである(^o^))の大型CMOSを搭載し、銀塩フィルムと同じ感覚で撮影できる、中級機の位置付けであるカメラである。

デジタル一眼レフでは、ほとんどのメーカーがAPS-Cサイズの撮像素子を用いており、そのため銀塩の場合、または35mmフルサイズ素子を持つ5Dなどと比べると、同じレンズによる画角が狭くなる現象が起こる。言い方を変えると約1.5倍ほどの焦点距離を持つレンズを付けた場合に相当する画角となるのだ。これは同じレンズが約1.5倍望遠になるのと同じで、望遠側から考えれば利点となる(何しろ望遠レンズは非常に効果)が、広角側には不利となってしまう。

そこで、既に現在では、レンズ専門メーカーを含めデジタル一眼レフ専用を唄って、銀塩時代では考えられなかった超広角レンズが発売されている。だから、画角の問題は事実上回避されているのである。

まあ、ココでは敢えて触れないが(^o^)、色んなネット掲示板等で賛成派、反対派が延々と喧嘩をしているが、自分の好むものを使えば良かろうと。
銀塩派からすれば、レンズを同じ感覚で使用できないからと(同じ画角になるようなレンズを用意しても被写界深度は異なる)言うのも分かる。
私個人的な意見を言わせてもらえば・・・新しい規格が存在しても良いだろう。慣れの問題。もちろんそれで同じ表現が不可能であるが、新しい表現が可能である。
35mm版(135サイズ)を基本とした中でのつばぜり合いであって、中判、大判カメラがあるように、様々なフォーマットがあるのである。そう「フォーマット」の違いなのだ。違うのがあって良いじゃないか。

正直言いづらい立場なのだが、キヤノン製ハイエンド機は高価だと思う。
EOS-1Ds Mark IIが約90万円程度と言うことから、半値以下の40万弱の値付けとなっているEOS 5Dはすごい安い・・・と納得の方々が数多くいる。まあ、価値に納得なさるなら良いだろう。
じゃあ、1Ds Mark IIは適正価格?

ライバルのニコンのフラッグシップのD2X。実売50万円弱。

じつは、EOS-1D Mark II Nがこれと同程度の価格。
この時点で既におかしいと思うのだが・・・

まあ、敢えて口をつぐもう。事情もあるし。(^_^;)
私は今回の2機種。それぞれもう10万円は安くても良いはずだと思ってる。

でも需要があれば、それでも売れるのだから、仕方がない。

・・・と、普段キヤノンを使わせて貰いながら、否定的意見を多く持ってる一人だ。(^o^)

しかし今回のEOS 5D(ファイブ・ディーと言うのが正式。でもゴ・ディーと呼ばれるだろう(^_^;))。ものすごい反響であり、かなりの販売台数となるだろう。

できるだけ大きなフォーマットにしたい・・・というのはある意味画質を追求すれば、正常な欲求である。
この小さなマーケットに一つ大きな穴を開けていき、これが他メーカーに対する起爆剤ともなるかもしれない。

良い争いで、各社しのぎを削って素晴らしいものを出していって欲しいものだ。

そうそう、オリンパスからもE-500なる新しい入門機が発売される。けれどこちらはこのカメラより、新しくアナウンスされた、F2.0クラスのズームの方が注目を集めるだろう。

関連記事

【新製品レビュー】キヤノン EOS 5D 製品版ファーストインプレッション Reported by 山田 久美夫(デジカメWatch)