Nikon D200の衝撃!

とうとう・・・いや、やっと・・・いや、いい加減にしろ・・・と言うくらい待たされたニコンの中級機。
私の所持しているD100の後継機となる、D200。

実は先日から、様々な方面からD200の発表間近、スペック情報などが飛び交い始めて、その予想通り本日の発表となった。
それこそ名前のD200なんて、2年は前からそうなると誰もが思ってたんだけどね。(^_^;)
発売は12月16日を予定している。(例の如く?遅れなければね)
とにかく、D100発売から3年半もかけてようやく発売なのだから・・・1年〜2年位の間隔で後継機種を送り出し、EOS 5Dのように新しいクラスをリリースするキヤノンとは大違いだ。
おまけにここ1、2年で、後発となった他のメーカーも一気にデジタル一眼レフをリリースし、一瞬は風靡したD70/D70sも、見劣りしてしまっている。もちろん基本性能としては充分なモノであるが。

タイトルに「衝撃」と書いた。
そんなに凄いのか?
と言われると・・・ずば抜けてこれが・・・というモノは特にないのである。色んな部分が正常進化し、それが相乗効果となり、できあがってみれば・・・これはD100後継でも中級機でもなく、プロスペックなのである。
ニコンも紹介しているが、プロフェッショナル/ハイアマチュア向け・・・と。
これは、ボディがプラスティックからマグネシウム(今は中級機でもごく普通)となっただけでなく、内側にシーリングを施し、防塵・防滴性まで手に入れてしまったのである。
これを実現しているのはニコンではD1/D2系、キヤノンのEOS-1D/Ds系、そして一応オリンパスのE-1と言ったプロ向け製品を唄っているモノだけなのだ。
で・・・各基本スペック。
比較をどうするかだが・・・おおざっぱに言って、D2Xに限りなく近く、EOS 20Dは全てに於いて凌駕し、EOS 5Dをも条件付でかなり凌いでいる。この条件は後述するセンサーサイズだが、これを除けば劣るどころか、かなりの部分で上回っている。
・・・で、実はこれ・・・20万円を切る価格となるのである。ここなんだ!!

ひとまず、主要なアピールポイント一覧。

○有効画素数10.2メガピクセル。新開発ニコンDXフォーマットCCD。(どこ製?(^_^;))
○4チャンネル読み出しによる高速画像処理。
○ 「1005分割RGBセンサー」を搭載し、D2xから受け継いだ露出評価アルゴリズムにより優れた測光精度を実現した「3Dマルチパターン測光 II」を採用。
○画面の中央部に約75%の重点を置いて露出値を決定する中央部重点測光、選択されたフォーカスエリアで測光し、11点測距AFシステムにも7点ワイドエリアAFシステムにも対応するスポット測光を搭載。
○キーワードを選択するだけでより撮影意図に近い画像に仕上げることができる仕上がり設定機能を搭載。「ソフトに」、「標準」、「鮮やかに」、「より鮮やかに」、「ポートレート」および「白黒」からイメージに最も近い言葉を選ぶだけで、輪郭(シャープネス)、階調(コントラスト)、カラー設定、彩度、色合いの各項目を最適に調整。さらに撮影者が独自に設定できる「カスタマイズ」も搭載。
○新開発の11点測距AFシステムを採用。プロフェッショナル向けニコンのデジタル一眼レフと同等のフォーカスエリアを持ち、さらに7点ワイドエリアAFシステムへの切り換えが可能。(配置が、20Dや5Dぽい(^o^))
○約0.15秒の起動時間。約0.05秒のレリーズタイムラグ、ファインダーの像消失時間約0.105秒。
○5コマ/秒、最大54コマ(NORMAL・Lサイズ)/22コマ(RAW・非圧縮時)の高速連続撮影。
○30秒〜1/8000秒までのシャッタースピード。(噂の電子シャッター併用1/16000秒は無かったみたい。返って安心の声が大きいようで(^_^;))
○連続して撮影する2〜10コマを1つの画像として記録できる多重露出機能。
○カメラ内で2つのNEF(RAW)画像を選んで合成できる画像合成機能。元の画像は影響を受けず、露出の割合を指定可能。合成した画像はNEF、JPEGファイルとして保存することが可能。
○インターフェース規格NMEA0183(Ver.2.01)に準拠。D-sub 9ピンのケーブルを利用して別売のGPS変換コードを介して市販のGPS機器に接続し、撮影時の緯度、経度、標高、UTC(Coordinated Universal time=協定世界時)データを記録。
○2.5型液晶モニター搭載。視野角上下左右170°。
○撮影モード、バッテリーの状態、記録媒体の状態、格子線、シャッタースピード、絞り値、残りコマ数など重要なデータをひとめで確認できる、大きく見やすい表示パネルをボディー上面に装備。
○大きな文字、見やすい配色により視認性を高めたメニュー画面。内容が理解しやすいキーワードにより、操作内容を簡単に確認。さらに撮影メニューとカスタムメニューで最近使用した14項目を表示可能。
○1画面表示、4または9画面のサムネイル表示、スクロールも可能なズーム、ヒストグラム表示およびハイライト表示など、多彩な表示が可能。
○ボディーはマグネシウム合金製。接合部にシーリングを施し、埃や湿気から保護。(これ注目!!)
○耐久性10万回を超える電子制御上下走行式フォーカルプレーンシャッター。
○新開発大容量、高性能Li-ionリチャージャブルバッテリーEN-EL3e。1度の充電で約1800コマの撮影ができ、液晶モニターでバッテリーの残容量(%)、前回の充電からの撮影回数、劣化度を表示が可能。
○バッテリーパックMB-D200を新開発。アルカリ単3電池6本またはNE-EL3eを2個で使用。
○IEEE802.11b/g規格準拠の無線LAN(Wi-Fi)によるワイヤレスでのデータ転送が可能な別売のワイヤレストランスミッターWT-3(2006年夏発売予定)を新開発。

既にヨドバシカメラは¥198,000で予約を受け付けている。いつもヨドバシカメラなので私の基準でもある。(^_^;)
EOS 20Dでさえ¥187,000、EOS 5Dに至っては¥378,000。5Dは比べる対象ではないだろう!1Ds Mark IIと比べたらどれだけ安いか!!と言う声は充分わかっていて、否定する気もない。
あくまでプロスペック・・・もっと言えば、基本スペックとしての充実度からしたらと言う部分を理解して欲しい。玄人なら理解してもらえると思うが。

プロフェッショナルスペックとして、20万円を切るのは当然初めて。いや、E-1はスペックの差が大きい事から敢えて外してもらえば、D2Hs(これも画素数のの観点から現在では派生モデルとして入れるが)でも¥398,000。この半額なんだから。

まあ、敢えて言えばファインダー視野率が100%ではないモノをプロスペックと言うかかどうか・・・もあるだろう。
うん、実は私もここは気になるところではある。

使った事のある皆さんは分かるだろうが、視野率が100%に満たないのはどうなのか・・・と言うと、ファインダーを覗いて長方形の枠内に見えているのがそのまま写る訳ではない・・・と言う事。例えばD200、EOS 20Dなどは約95%の視野率なのだが、これは見えている範囲は実際写る範囲の縦、横(縦横で異なるモノもある)とも95%しか見えてないですよ!と言う事。逆に言うと、ファインダーで写っている通りに想像していると、撮影した画像はさっき見てたモノより余計な部分が周囲に写っているという事なのだ。
たった5%、されど5%。
意外に大きいのですよ。あれ、こんなの写した覚えないよ!と後でビックリする事があるくらい・・・
もちろん慣れなのです。ファインダーを固定する前に、ほんのわずかに上下左右に振って(ホントにわずか)確認すれば大体掴めてくる。
でも・・・一度100%に慣れちゃうとね・・・それならそれでシャッターを切る瞬間まで、さらに正確なフレーミングを追求するので、これができないのは大きいのだ。
ってなことで、議論は分かれるだろうが、撮影者の努力でカバーできる部分でもある。

なので、敢えてここではD200をプロスペックとさせていただく。

戻るが・・・10万円台なんだよ。
初級機が10万円を切る価格で並んではいるモノの、明らかにそれらとは別次元のスペックなので、それこそ「たったの」倍の価格差、といえるモノ。

ここのところ、圧倒的な性能比、ラインナップ比において、ニコンはキヤノンに大きく後塵を拝し、苦汁を飲まされ続けらてたが、このミドルサイズクラスに置いて、一気に逆転する可能性すらある。
EOS 20DとD200。ほとんど1万円くらいの差でしかない。
もちろん、キヤノンはリリース間隔から言うと、噂も広がっているが、20Dが昨年初秋の発売だったことを考えれば年明け早々次期モデルが出ても良いだろう。
しかし・・・既に今の800万画素CMOSが吐き出す絵は、必要かつ充分なレベルに達しているのである。先日EOS-1D Mark II Nについても触れたが、これが新しくなった部分というのは目立つところでは背面液晶モニタの2.5型への大型化と・・・ピクチャースタイルの実装だった。マイナーチェンジと言うべきモノ。もし時期20Dが同じようなレベルの小変更なら・・・もう、D200とはクラスが違ってしまうのである。
それも後出しでスペックが下がるとなれば、価格据え置きなんて事ではどうしようもない。10万円前半に、それこそD70sを値段で蹴散らすくらいにならないと。

ある意味、今日の発表はキヤノン陣営に対して大きく衝撃を与える結果かも。

なら・・・次期20DもD200みたく、各部を大きく煮詰めれば・・・
って、ここで5D。でしょ?

5Dが20Dを上回るところ。センサーサイズ(敢えて大きい方を上回ると言わせて貰えばと言う事で。画素数が1280万画素という方で考えればやはり上回ると)、AF性能・・・これはわずか。あと・・・バッファ容量。ただし、RAW17枚連続はD200が22枚(圧縮RAWなら23枚)で上回った。ISO50・・・。
ああ、スクリーンが交換できる事!!これが一番大きな事?
もちろん背面液晶モニタとピクチャースタイルね。
そう、5Dと20Dって、実は類似モデル。センサーサイズの違う派生モデルという言い方の方が正しいのかもしれない。
20Dにはその価格から、エントリーユーザ向けの機能が逆に付けられてるとなる。

となれば・・・次期20Dが5Dに大きく差を付けるのか・・・ってやっぱりバランスがおかしくなる。
5D登場時にはやはり凄いニュースだったが、対D200でフルラインナップを考えると、このような変な現象が起きてしまう。

なら、D200がD2Xの下克上を果たす(ある意味そうなったかも)との言葉があったが、キヤノンにも次期20Dが上位モデルへの下克上を果たすべき進化に期待したくなっちゃうな。

つまるところ、とくにこれがずば抜けて!!と言う訳でもない集まりによって、ベストコストパフォーマンスをたたき出したD200ということで。

さて、ニコンファンが期待して達成できなかった事。
・センサーサイズの35mmフルサイズ化。(ま、しばらくは今のフォーマットで行くと言ってるのだから仕方のない事ではある)
・ファインダー視野率100%。(そうね、これやってくれれば非の打ち所無し)

大きいのはこの2つくらい。

でも・・・ここまで書いといて、一番大事なところ。高感度の画質。
D2Xで散々たたかれた。(^o^)

そうね・・・今メーカーサイトでもサンプルが3点上がってるが、夜景以外はイマイチピンと・・・(^_^;)
いつも思うがニコンはこのサンプルの載せ方が下手である。
夜景のは夜景撮影の基準になり、D200が長秒露光時のノイズレス感が伝わるなど、役立つが・・・

人物や・・・何故氷河?ハイライト粘るよのアピールかな?(^_^;)

キヤノンの方がこの辺はずっと分かりやすくて参考になる。さらに高ISO、高速シャッターなどの画像も用意する。
人物にしたって、普通の女性ポートレートの方が・・・いや別に好みというのもあるが、そう言う意味だけでなく、実際に写す条件に近いので参考になるの。何でこうも特殊な環境のものだけ置くのでしょう。(^_^;)

ま・・・個人的にはあまり気にならないのだけれど、ニコンファンでさえ手のひらを返すこれまでの状況。見過ごせないのは事実。
シャドウ部の解像感はおかげでずっと良いのにね。
私はむしろそっちを好むし、せいぜいISO400使えればいい位だし。かといって酷評されたD2H。
今・・・トップページに浅草サンバカーニバルの画像載せてるけれど、これ暗めの画像はD2HのISO400のモノです。
もちろん画素数が少ないとは言えど、ここまで縮小すれば全く気になるモノではない。

とは言え・・・認められるにはISO800で実用レベルといえるか・・・が今の基準かな。

なので・・・実はこの記事全部時期尚早?(^_^;)
結局はこれ如何によって、なんだやっぱりか・・・なんて事になりかねんからね。

ちょっと長くなりすぎたので、これ以上の感想その他は、また今度改めて(があるかどうかは保証しないけど)。
まだ触ってないし。
まだまだここが凄いってのもたくさんあるので。

ああ、そうそう!ひと〜〜〜つだけD200にもの申したい不満点。
ペンタ部のNikonのマーク。何でペイントなんだよ!!!D100だって彫り込まれてたのに。
せっかくの防塵防滴で質感の高そうなマグボディが、このせいですっごく安っぽく見えるのは私だけ?(^_^;)
こんなのコストがかかるような部分じゃないでしょ。
・・て言うか、まだ販売まで時間があるんだから、製品版はなんとかしてくれ〜〜〜!

あっ、大事なレンズの事忘れた!!
AF-S DX VR ズームニッコール ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
高倍率なのに、VR(手ぶれ補正機構)の進化版VRII。補正効果4段分!!これ凄い事。
そして実売9万弱。初心者には凄い最適。まあ、実写画像見てないからよく分からんけれど。高倍率だから、ある程度妥協して考えてね。

あと、斬新なワイヤレスリモートスピードライトSB-R200も。これ結構注目だ。

とにかくD200。価格さえ許せる皆さんには、とにかくお勧め。

じゃあ、後は関連記事張りまくってるのでそちらでどうぞ。

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